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アルコール77の転売は違法?罰則は?菊池酒造の善意が転売ヤーの餌食に!

最近日本酒や焼酎、リキュール、ラム酒などを製造する菊水酒造が、コロナの影響で品薄となっている消毒や除菌用アルコールの代用品としてアルコール度数77度の高濃度スピリッツ「アルコール77」の製造を製造することが決まり話題になりましたね。

ところがこの「アルコール77」がいまメルカリで転売ヤーによる高額転売の餌食になっています。

これは菊池酒造の善意を踏みにじる行為です。

そこで今回はアルコール77の転売は違法?罰則は?菊池酒造の善意が転売ヤーの餌食に!と題して、アルコール77の転売の違法性や罰則、踏みにじられた菊池酒造の善意についてまとめました。

もし違反となった場合の罰金や罰則についても調べてありますのでぜひ最後までご覧くださいね。

菊池酒造「アルコール77」の転売は違法?

アルコールの販売は一般的には酒類の販売業免許が必要だということをご存知でしょうか?

現在、消毒用アルコールの代用品として関係省庁の指導のもと出荷された菊池酒造「アルコール77」が転売ヤーの餌食になっています。

転売ヤーによるアルコールの転売は違法にならないのでしょうか?

気になったので調べてみました。

わたしも自分で調べてみるまでは違法だと思っていたのですが、実は酒類の販売業免許がなくてもネットオークションに出す行為自体は違法ではなさそうです。

落ち着いて考えてみればそこら辺のお店で普通に買えるビールなども「頂き物で不要」という理由でメルカリに出品されていることがありますし、出品したら100%違法というわけではありませんでした。

ただし、酒類の販売業免許を持たない方が「継続して酒類を出品し販売を行う」のはアウトなようですね。

【販売業免許関係】
Q5 インターネットオークションに酒類を出品したいと思いますが、この場合に酒類販売業免許は必要ですか。

A 酒類の販売業をしようとする場合には、酒税法に基づき、販売場ごとにその販売場の所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要があります。
 したがって、インターネットオークションのような形態であっても、継続して酒類を出品し販売を行う場合には酒類の販売業に該当し、販売業免許が必要となります。
 ただし、例えば、ご自身の飲用目的で購入した又は他者から受贈されたなどの酒類のうち、家庭で不要になった酒類をインターネットオークションに出品するような通常継続的な酒類の販売に該当しない場合には、販売業免許は必要ありません。
 これは、ガレージショップや学校のバザーなどに酒類を出品する場合も基本的には同じです。

根拠法令等:
酒税法第9条
法令解釈通達第2編第9条関係
出典:【販売業免許関係】|国税庁

今回のケースは、この転売の「継続して酒類を出品し販売を行う場合」にどんなパターンが該当するのかが焦点になるのではないでしょうか。

以下の東京中央税務行政事務所の情報から考えると、明らかに転売目的で高額で販売しているのであればそれは転売ヤーすなわち「業」として転売する意思があるものと受け取れます。

元国税局員が代表を務める東京中央税務行政事務所の情報なので信憑性はかなり高そうです。

転売の回数にかかわりなく、「業」として転売する意思がなければ違反ではない
出典:酒免許がなく自宅に置いてある酒をネットで転売は違法なのか? | 東京中央税務行政事務所

アルコール77の転売が違法ならどんな刑になる?

もしアルコール77の転売が違法と判断された場合、転売ヤーはどんな刑になるのでしょうか?

調べてみたところ「酒税法第9条違反となり、酒税法第56条に規定する罰則の対象」となるそうです。

Q1 酒類販売業免許を受けないでお酒を販売している店があるので、取り締まってほしい。

A

1 酒類販売業免許を受けないで酒類の販売業を行うことは、酒税法第9条違反となり、酒税法第56条に規定する罰則の対象となります。
 酒類の無免許販売業に対する取締りは,国税局又は税務署において、その情報を収集するとともに、無免許販売業の疑いがある場合には厳正な調査を行い、酒税法違反行為が認められた場合には、当該規定により処分することとしております。

2 無免許販売業についてお気づきの点があれば、最寄りの国税局又は税務署に具体的な情報提供をお願いします。情報提供者の秘密は厳守します。
 なお、社内労働者からの通報(内部告発)に対しては、公益通報者保護法によって、解雇等の不利益な取扱いから保護されます。

根拠法令等:
酒税法第9条、第56条
出典:【無免許販売】|国税庁

「酒税法第9条違反となり、酒税法第56条に規定する罰則の対象」のなかで、無免許で販売した場合の罰則について「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と記載されています。

執行猶予などがつくのかはわかりませんが、このくらいの罰則となるようです。

Q11 免許を受けないで酒類の製造(販売業)を行った場合には罰則があるのですか。

A 酒類の製造免許を受けないで酒類を製造した者は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に、また、酒類の販売業免許を受けないで酒類の販売業をした者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。

根拠法令等:
酒税法第54条、第56条
出典:【酒類製造・販売業免許関係(共通)】|国税庁

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踏みにじられる菊池酒造の善意

代表取締役社長の春田和城さんはアルコール77製造の経緯を以下のようにコメントしており、コロナ禍にあえぐ社会の助けになればという気持ちで製造しているそうです。

当社は、2018年7月豪雨により甚大な被害を受けましたが、各方面から多大なご支援をいただきました。当社の有する製造設備等を活用して、皆様のお役に立てる製品を提供することで、恩返しにつながればと考えたものです。今後も各界のご指導のもと改善を尽くした製品を順次製造して参りたいと存じます。
出典:高知県の菊水酒造、消毒用アルコールと同じ度数の「アルコール77」を発売

これがいま転売ヤーによって踏みにじられており、本来購入したいと思った方が定価で買えない事態が発生しています。

希望小売価格は1本1200円(税別)ですが、メルカリでは1本4000円くらいの値段がついています。

ネットでは転売ヤーに怒りの声

転売ヤーに怒りの声、メルカリなどのオークションサイトに対応を求める声が乱立しています。

転売による社会への悪影響を訴える声は日に日に増すばかり。

今後は転売に対してより一層の法規制が求められてくるように感じますね。

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アルコール77の転売の違法性まとめ

今回はアルコール77の転売は違法?罰則は?菊池酒造の善意が転売ヤーの餌食に!と題して、アルコール77の転売の違法性や踏みにじられる菊池酒造の善意についてまとめてきました。

  • 転売ヤーがお酒をネットオークションで販売するには酒類の販売業免許が必要。
  • ただし業としての転売でなければネットオークションにお酒を出品するのは違法ではない。
  • 違法と判断されれば1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(酒税法第9条違反、酒税法第56条に規定する罰則)

転売の全てが悪とは言えませんが、今回のような菊池酒造の善意を踏みにじる行為や生活上の安心安全が揺らぐ転売はモラルが問われます。

また「買い占めによる値段のつり上げ」という手法については社会に与える悪影響が甚大ですし、消費者も納得できるものではありません。

今後の政府やオークションサイトの対応が気になるところです。